
「子どもの歯並びは親に似るのでは?」と不安になる方も少なくありません。
たしかに、骨格や歯の大きさには遺伝の影響があるとされますが、歯並びの乱れには生活習慣や口の使い方も深く関わっています。
この記事では、「遺伝」「骨格」「生活習慣」の3つの視点から、歯並びが乱れる背景と予防のヒントを解説します。
目次
■歯並びは本当に遺伝しない?まずは「遺伝」の影響から
歯並びがすべて遺伝で決まるわけではありません。実際に似やすいのは「顎の大きさ」や「歯のサイズ」などの骨格的な要素です。
たとえば、顎が小さく歯が大きければ、歯がきれいに並ぶスペースが足りず、ガタガタしやすくなります。
ただし、同じような骨格でも、歯並びの状態が異なることはよくあります。その違いを生むのが、呼吸・姿勢・舌の使い方など、日常の習慣です。
歯並びは遺伝だけで決まるものではなく、環境や習慣の影響も大きいと理解しておくことが大切です。
■歯並びと顎の骨格の関係
歯並びは、歯そのものよりも「歯が並ぶ土台」である顎の骨格の影響を強く受けます。顎に十分なスペースとバランスがあってはじめて、歯がきれいに並びやすくなるためです。
以下のような骨格的な特徴は、歯並びの乱れにつながりやすいといわれています。
【骨格のバランスが崩れると起こりやすい歯並びの乱れ】
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顎が小さい→歯が並びきらずガタつく(叢生)
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上顎が前に出ている→出っ歯気味になる(上顎前突)
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下顎が前に出ている→受け口になる(反対咬合)
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前歯が噛み合わない→開咬で前歯が使いにくくなる
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顎が大きすぎる→歯の間にすき間ができやすい
こうした骨格は遺伝することもありますが、顎の成長は生活習慣の影響を受けることも多く、決して生まれつきだけで決まるわけではありません。姿勢や口の使い方を整えることで、成長をサポートできる場合もあります。
■悪い歯並びの原因は、遺伝よりも生活習慣が大きいといわれている
最近では、歯並びの乱れに生活習慣が深く関わっていると考えられるようになってきました。特に子どもの成長期は、毎日の癖やお口の使い方が、顎の発達や歯が並ぶスペースに影響を与えるとされています。
歯並びに影響しやすい習慣には、次のようなものがあります。
【歯並びに影響を与えやすい生活習慣】
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口が開いたままの状態が多い(口呼吸)
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舌が常に下がっている、または正しい位置にない
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飲み込むときに舌で前歯を押してしまう
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頬杖、うつぶせ寝、片側ばかりで噛むなどの癖
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噛む回数が少ない、やわらかい食事が中心の生活
これらの習慣が続くと、口まわりの筋肉や顎のバランスが崩れ、歯並びにも影響が出やすくなります。一見すると些細な癖でも、積み重なることで将来的な歯並びに影響する可能性があるため、定期的な歯科でのチェックや予防的なアドバイスが大切です。
■原因にアプローチする矯正「マイオブレース」とは
マイオブレースは、歯並びの原因となる癖や口腔機能の乱れにアプローチする矯正方法です。成長期の子どもを対象に、日中1時間と就寝中にマウスピース型の装置を装着し、次のような習慣改善を目指します。
【マイオブレースで改善を目指すポイント】
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口呼吸を鼻呼吸へ
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舌を正しい位置(上顎)に置く
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飲み込むときの舌の使い方を整える
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唇をしっかり閉じる力を育てる
装置の使用に加えて「口腔筋機能療法(MFT)」というトレーニングを行い、舌や唇の筋肉を正しく使うことを習慣化していきます。
これにより、顎が自然なバランスで成長しやすくなり、歯が並ぶスペースを確保できるようサポートするのが特徴です。
「できるだけ歯を抜かずに整えたい」「早めに予防したい」と考える方に選ばれる方法のひとつですが、適応には専門的な診断が必要です。
■歯並びは遺伝だけでは決まらない。気になったら早めに相談を
子どもの歯並びは、骨格や歯のサイズといった生まれ持った要素だけでなく、呼吸・舌の位置・飲み込み方などの生活習慣にも大きく影響を受けることがわかってきています。
「遺伝だから仕方ない」と思って見過ごしてしまうと、実は予防できたはずの歯並びの乱れを見逃してしまうこともあります。
成長期の子どもは、筋肉や骨格が発達する大切な時期。このタイミングで口周りのバランスを整えておくことで、顎の成長をサポートしやすくなり、将来の歯並びにも良い影響が期待できます。
たじり歯科クリニックでは、お子さんの発達に応じた矯正相談や、マイオブレースを取り入れた早期の予防矯正にも対応しています。「歯並びが気になる」「口がいつも開いている気がする」など気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


